人生訓のようで気恥ずかしいですが、安易な選択肢を選ぶよりも困難な方がいい結果になることが往々にしてあります。
助成金の獲得も同じです。
FAXや電子メールで助成金の獲得に関する勧誘が届きます。
勧誘には二種類あり、一つは事業者向けでもう一つは経営コンサルタント向けです。
事業者に対しては助成金の申請をする代わりに手付金と成功報酬をもらう方式です。
これだけでは悪質性はありません。
手付金をもらって形だけの申請書を作り、申請書と引き換えに作成書を受け取り、申請は事業者自身が行う、というものが多いようです。
中には申請の代行までしてくれるのですが、申請書作成料、申請手続き代行料が請求され、結果として不採択になるものもあります。
申請書は業種別にパターン化されたひな形のコピーで、助成金の審査で門前払いされる代物です。
補助金事業が採択されるのは数割程度で不採択になっても仕方ないという現実があり、最善を尽くしても不採択でしたと言い逃れします。
彼らは成功報酬をもらうつもりはなく、いうなれば手付金ビジネスをしているのです。
経営コンサルタントに対して彼らは、そのひな形を販売するか、補助金申請を希望する顧客を紹介すれば紹介料を払うというもの。
前述のとおり、ひな形では当然に不採択なので買い損です。
顧客を紹介すれば、その顧客は手付金ビジネスの餌食となり、経営コンサルタントは信用を失います。
経営コンサルタントに助言するなら、得体のしれないひな形やノウハウ本を買うよりも、中小企業への補助金事業を運営している経済産業省の地方局(愛知県なら中部経済産業局)や中小企業基盤整備機構、都道府県の中小企業支援部門を訪ねた方が安上がりで問題解決も早いです。
経営コンサルタントなら、申請書をある程度作っていくのは当然です。
事業者本人がこれらの機関を訪ねれば歓迎されます。
その際は、自社の紹介資料と補助金でやりたいことの資料は最低限持参してください。
その前に地元の商工会議所を訪ねると縁起が生まれるかもしれません。
【余談】自称、経営コンサルタント(補助金コンサルタント)の中には補助金行政当局の非公式なブラックリストに載っている者もいます。およそ審査に通らない落第点の申請書を量産してくるからです。更に担当者を威圧して心証を悪くする者もいるそうです。