大阪IRという大事業に著作権が勝ったけど

日本政府が認定し、大阪府と大阪市が整備計画を進めているIR(統合型リゾート施設)の公開資料(イメージ図や動画)に著名美術家の著作物を無断使用したとして、事業体が著作権の侵害を認めました。

担当者は当然に著作権の意識を持っていたはずです。

資料のラフ段階では著作物の許諾を得るつもりでいたのでしょう。

このIR計画を政府が認定したタイミングを逸せずに資料の公開を急いだはずです。

府も市も政府認定のプレスを発する際の見栄えのいい資料が必要で、それを作るのは事業体です。

オリックスと米MGMリゾーツ・インターナショナルという上位の事業体は自社のプレゼンテーションとしても当然にその資料を必要としていました。

幾つものラフ案から著作権を侵害している案が採用され、一気呵成に制作されたのでしょう。

担当者(部署)に同情的な憶測をするなら、著作権の承諾を得ていないことを上位事業体に伝えてたものの、上層部は事後承諾で十分と判断したでしょう。

批判的な憶測をするなら、忙しさにかまけて承諾手続きを忘れたのかもしれません。

経緯や事情はどうであれ違法行為です。

日本MGMリゾーツが責任を認めたことで著作権侵害問題は決着しそうです。

今回は、資料が公開され、多くの人が知る美術家の作品であったことから著作権侵害を指摘する声が大きく、隠しきれなくなりました。

しかし、広く名の知られてない人の著作物が侵害されたとしても、その権利者が侵害を訴えたとしても、侵害者がこれほど早期に認めることはなく、代価の支払いも踏み倒されることが多いです。

泣き寝入りしない知的財産保護意識の高揚に期待します。